米特許商標庁は,Windowsなどが採用するファイル・システム「FAT(file allocation table)」について,米Micro-soft Corp.が保有する米国特許の有効性を認める判断を下した。今までMicrosoft社とのライセンス契約を控えていた企業も,同社の姿勢によっては使用料の支払いに応じざるを得ない状況となった。

 事の発端は2003年12月,Microsoft社がFAT関連特許4件の有償ライセンスを開始したことにある。この時点でFATはパソコンだけでなく,メモリ・カードを用いる機器などに普及していた。このためメモリ・カード・メーカーや機器メーカーの一部は, FAT特許の使用料の支払いに応じた。

 このFAT特許について「新規性がなく無効」と主張したのが,非営利組織の米Public Patent Foundation(PUB-PAT)である。PUBPATは2004年4月に,FAT関連特許の1つ「517特許」(米国特許番号:5,579,517)の再審査を米特許商標庁に申請した。続いて2005年1月には,米国カリフォルニア州の個人が「352特許」(米国特許番号:5,758,352)の再審査を請求した。請求を受理した米特許商標庁は,同年6月までに 2件の特許について「特許の全クレーム(請求項)が無効」とする仮決定を下す。Microsoft社が同特許を出願した1993年以前に先行技術が存在したとの理由だ。