2006年1月初旬に開催した世界最大級の家電展示会「2006 International CES」。その主役は,デジタル家電そのものではなかった。話題の中核にあったのは,ネットワーク上のサービスである。

 基調講演を託された大手企業は,こぞってオンライン・サービスの強化を打ち出した。米Microsoft Corp.や米Intel Corp.は,米Apple Computer,Inc.の成功から,デジタル家電攻略の鍵がサービスであることを学んだ。米Google Inc.や米Yahoo! Inc.といったネット上の大企業は,映像配信や家電との連携を次なる成長の糧とみる。基調講演でネットワークについて多くを語らなかったのは,家電メーカーとして唯一登壇したソニーぐらいである。

 事実,この分野で日本メーカーの存在感は希薄だった。今回のCESで日本勢の最大の見せ場だったのは,次世代光ディスクの製品化をめぐる応酬である。2つの規格の争いはあまりに激しく,製品の出荷を前に早くも価格競争の様相を呈している。それぞれの規格から,今後どれほどの利益を得られるのか疑問だ。