日経ものづくり キラリ輝く中小企業

日本電鍍工業

金属めっきの日本電鍍工業
時計で鍛えた技で新分野へ

 日本電鍍工業は,設立以来47年の歴史を持つ金属めっきの専門企業である。かつては売上高の9割以上がバンドやケースなどの時計部品だったが,同分野の需要の落ち込みをきっかけに路線を変更。今日では,時計部品で培った高度なめっき技術を武器に,医療器具や電子部品,管楽器,宝飾,文房具などさまざまな分野で得意先を増やしつつある。
 そんな同社の特徴は,難しいとされる貴金属の厚めっきを精巧に施す技術を持つことだ。「貴金属めっきは,10μm,30μmと厚く盛っていくほどムラが生じたり摩耗しやすくなったりするが,当社の場合にはそういうことはない。意匠面でも,ピンクゴールドのように変色しやすい色調のものにも十分対応できる」と,同社社長の伊藤麻美氏は胸を張る。同氏によれば,厚さ30μmの金めっきを均一に仕上げられるのは,日本でもごく少数の企業に限られるという。

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●●電気めっきライン


中央化工機

粉体機械の中央化工機
振動技術を多様に展開

 金属やセラミックス,磁性材料,顔料,医薬品,食品など,さまざまな産業素材や製品の製造プロセスに欠かせない粉体化技術。中央化工機は,粉砕筒(ドラム)の中に原料と媒体を入れ,高速円振動させることで原料を粉体にする「振動ミル」で国内75%のシェアを持つメーカーである。振動ミルを応用して開発した振動乾燥機でもナンバーワンのシェアを誇っている。
 1950年の会社設立当時,同社は粉体機械メーカーではなく,通商産業省アルコール事業部(現新エネルギー・産業技術総合開発機構アルコール事業部)の認定業者として酒精用アルコールの発酵にいそしむ傍ら,蒸留設備の設計製作を行っていた。

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●組み立て,調整中のCD-50型振動ミル
上下2筒で連続駆動する。