日経オートモーティブ 連載

事例に見るPLM活用・第1回

設計支援機能盛り込み
ランプ開発を効率化

自動車用ランプの開発ではデジタル試作(以降DMU:Digital Mock Up)の活用が焦点になっている。PLM(製品ライフサイクル管理)ソフト上で作成したモデルで、デザインを繰り返し検討できるようになってきた。DMUを前提とした開発プロセスの改革を紹介する。

小糸製作所
CAE推進室
石川 将仁


 当社は、自動車用ランプの光源からランプ制御システムまでを開発、生産し、完成車メーカー各社に提供している。具体的にはハロゲンヘッドランプ、HID(High Intensity Discharged)ランプはもとより、配光可変型(Adaptive Front lighting System)ヘッドランプ、LED(発光ダイオード)リアランプなどである。
 さらに、次世代の光源として白色LEDを利用したLEDヘッドランプの開発にも取り組んでいる。2005年10月から開催された第39回東京モーターショーでは、ヘッドランプにLEDを適用した試作品のほか、各種のプロトタイプ形状を参考展示した(図)。
 最近のランプの特徴は、大型化、デザインの自由化、多機能化、明るさ追求に加え、省電力技術も求められていることだ。また、製品設計技術も向上させていかなければ良い製品の開発ができない。そこで、3次元CADを利用した構造設計が不可欠となっている。
 さらに、性能面を満足させるために、市販CADにCAEソフトを連携させたり自社製ソフトをアドオンすることが必要になっている。良いもの作りのためには、作る道具にもこだわりが必要だと考えている。

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図●小糸製作所のLEDヘッドランプの例
第39回東京モーターショーに展示した試作品。