日経オートモーティブ イベントレポート

第39回東京モーターショー
GT-R、レクサスのコンセプト登場
パワートレーン、エレに新技術

2005年10月開催の「第39回東京モーターショー」では、2006年、2007年に市販予定のクルマをイメージするコンセプトカーや市販予定車が多数登場した。注目されたのは、初公開となった日産自動車「GT-R PROTO」やトヨタ自動車「LF-Sh」だった。

 環境への対応から開発が進むハイブリッド車や燃料電池車の展示はもちろんだが、今回のモーターショーでは2006年、2007年に発売される予定のクルマが多数出展された。ショーを意識した外観デザインや色使いを別とすれば、限りなく市販車に近く、今後の自動車のトレンドを予感させる現実的な展示が多く見られた。
 一方、技術展示に目を向けると、機械的な部品とエレクトロニクス技術の結びつきがいっそう強くなることを感じさせる出展が目立ち、パワートレーンや情報・通信技術で新しい提案が相次いだ。

市販予定のコンセプトカーが並ぶ

 コンセプトカーではあったが、2007年市販予定の「GT-R PROTO」は会場で最も注目された1台だ(図)。ボディサイズは一切発表されていないが、市販車にほぼ近いデザインを持つ。段階的に折れ曲がったリアピラーやリアのエアアウトレットは空力的な検討の結果、生まれたものだ。ホイールは20インチで、タイヤはブリヂストン製ランフラットタイヤ「POTENZA RE070」。サイズは、フロント255/40R20、リア285/35R20。ブレーキディスクは前後ともスリット入りだ。
 もう一つの目玉が、「LF-Sh」。レクサスのフラッグシップセダンのハイブリッドコンセプトで、2006年夏発売予定の「レクサスLS」にほぼ近いデザインを持つ。LF-Shは、フロントグリルやサイドモールが金属調とされ、ショーカーらしさを強調していた。ホイールはGT-Rと同じく20インチ。タイヤは住友ゴム工業製の245/45R20で、「DUNLOP」ブランドのみ記載されていた。ブレーキディスクはGT-Rと異なり、スリットのないフラットなタイプで、ホイールサイズに対してディスク径がやや小振りなことから量産車では18インチ程度のホイールが採用されそうだ。
 現行の「セルシオ」では、フロント、リアサスペンションのアッパーアームがアルミニウム合金製であったが、展示車両はリアのロアアームがアルミ合金製だった。

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図●日産自動車の「GT-R PROTO」
「GT-R PROTO」は市販モデルに近いデザインを採用。整流機能を持つ後部のエアアウトレットやリアピラーが特徴だ。