「共通化できるソフトウエアを端末メーカーがそれぞれ開発していたら,端末の納入価格が許容できなくなってしまう」(NTTドコモ 研究開発企画部 R&D戦略投資担当 担当部長の逸見知也氏)。NTTドコモは,組み込み機器向けミドルウエアを開発するACCESSに約150億円,同じくアプリックスに約130億円を出資する。

 2社への出資を通じてNTTドコモが機能強化を図るのは,WWWブラウザやJava実行環境。どちらも「我々の端末と他の事業者の端末との差異化を図るためのポイントであり,NTTドコモ向けの端末を開発するメーカー間の競いどころではない」(同社の逸見氏)とする。2社が開発したWWWブラウザやJava実行環境の採用を端末メーカーに強いることはしないが,その成果を任意で使ってもらうことにより,開発費の上昇を抑制することをもくろむ。2004年7月にルネサス テクノロジと米Texas Instruments Inc.の2社にマイクロコントローラの開発費として合計100億円超を投じることを決めたのと,狙いは同じである。