日経ものづくり キラリ輝く中小企業

エステック

フッ素樹脂加工のエステック
短納期を武器に顧客拡大中

「毎月10件以上の新規顧客を獲得し,売り上げは毎年10%以上伸びている」。好調な業績を打ち明けるのは,「テフロン」で有名なPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を主体としたフッ素系樹脂専門の加工販売会社,エステック社長の志村春雄氏。2005年度の売り上げは2004年度の1.2倍に当たる6億円を目指すと,強気だ。
 そんな同社が手掛けるのは,PTFEの無垢材やガラス繊維などを混ぜた複合材料の板材やパイプ,丸棒を旋盤やフライス盤で切削加工し製品に仕上げていく事業。製品とは,各種薬品の容器をはじめ,半導体製造装置の部品,無潤滑軸受などを指し,一点物から少数少量の生産を得意とする。こうした事業を展開する中,同社が好業績を維持する理由は主に三つある。

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●PTFEを加工している様子


山一金属

アルミ再生加工の山一金属
箔やキャップも再資源化

山一金属のアルミニウム再生技術は,その歩留まりの高さに特徴がある。アルミニウム合金製の使用済み飲料缶(UBC:Used Beverage Can)を破砕し,鉄・銅などの金属や砂などの不純物を除去,さらに付着している塗料をはぎ落としてペレット(粒)にし,タブレット状に固める。UBCを溶解する一般的な方法では再生時の歩留まりが約75%であるのに対し,同社の精練法は再生率が95%以上と極めて高く,消費エネルギも少なくて済む。しかも一連のプロセスを機械化することで,少人数による処理を可能にした。
 同社がこの技術を確立したのは,約20年前のことである。「UBCに含まれるアルミ以外の成分は5%程度なのに,歩留まりが75%というのはもったいない。溶解せずに済めば歩留まりは向上するし,環境負荷も減らせると考えた」と,同社社長の大賀俊和氏は当時を振り返る。もっとも,苦心して技術を確立しプラントが稼働した後でも,「初めのうちはなかなか理解してもらえず,説明に腐心した」と苦笑する。

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●アルミ箔を断裁するライン