日経ものづくり 材料力学マンダラ

第12巻
たわみを小さくするために

広島大学大学院教授 沢 俊行


●たわみの計算は,干渉や共振を防ぐために欠かせない
●支持点を入れると,たわみは小さくなる
●固定端を支持点に変更すると,たわみは若干大きめに


 前回は,先端に集中荷重Pを受ける長さツの片持ち梁を例に,たわみを小さくするための断面形状を考えましたが,今回もテーマはたわみとします。たわみにこだわる第一の理由は,例えばカバーなどの他部品との干渉やクリアランスを考える上で重要だから。そして第二の理由は,この問題が事故原因として非常に多い振動に絡むから。トラブルや事故を防ぐために必要な共振周波数の計算に不可欠なファクターだからです。このことは,次回以降の当コラムで説明していきます。

日経ものづくり 材料力学マンダラ
図●先端Aに集中荷重Pが作用する片持ち梁
(a)長さxの左要素を考え,右端回りのモーメントの釣り合いからBMDを求める。(b)そのBMDは三角形になる。