日経ものづくり 詳報

部品標準化で原価低減90億円
富士ゼロックスの新体制・システム

Webベースの支援システムでCADデータの呼び出しも可能に

 富士ゼロックス(本社東京)が,複合機での部品標準化を一段と進めている。標準部品を選ぶ専門組織を設けたほか,新規開発での標準部品の採用を支援するシステム「X-EST」を構築。これまでは非公式のシステムだったが,設計者の利用率が90%を超えたため,正式に運用する。標準化による原価低減は,2005年度で90億円を上回る見込みだ(図)。
 同社が標準化を進めるのは,開発効率を上げるため。「新図の枚数に比例して設計作業は増える」(同社開発生産統括本部モノ作り技術本部標準化Gグループ長の津田信一氏)。しかし,設計作業の多さが,性能や魅力の向上につながっているとは限らない。同社では,部品の標準化とは別に複合機の機能モジュールの標準化も進めており1),この活動を通して「図面の全数に対する新図の割合は10~30%くらいが適正」(同氏)という基準を得ていた。

設計者は安心して採用
 標準部品の選定や更新といった業務から設計者を解放するため,メカ部品やメカトロ部品に関しては,標準部品の専門組織「メカエキスパート会」を設けた。標準化の対象となる部品ごとに,経験豊富な担当者を配置。「認定した標準部品に関する全責任を担当者が負うので,設計者は安心して標準部品を採用できる」(富士ゼロックス開発生産統括本部モノ作り技術本部標準化Gの神奈川尚氏)。

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図●部品標準化による原価低減目標
2005年度の実績は目標値の約90億円を上回る見込み。2005年度からは,標準化支援システムによる効果も原価低減として計上する予定。