端末の高速移動時でも通信を続けられる無線データ通信の物理層とMAC層の規格「IEEE802.16e」(以下,16e)と,それを基盤にした移動体通信仕様「モバイルWiMAX」の標準化が2005年12月にも完了する。ハンドオーバー機能など,残るネットワーク層の仕様も,2006年初頭にも米Intel Corp.が主導する団体「WiMAX Forum」が策定する見通しで,モバイルWiMAX全体の仕様が確定する。2006年秋には正式仕様に準拠した最初のチップセットが登場する見込みである。同社はモバイルWiMAXを携帯電話機だけでなく,ノート・パソコンや自動車など非常に幅広い分野の「端末」に,しかも世界統一仕様で搭載していきたい考えである。

 この無線仕様には,日本を含む世界中の通信事業者も注目している。実用化一番乗りになりそうなのは韓国。モバイルWiMAXの草案を基に韓国LG Electronics Inc.などが基地局や端末を開発中で,2006年春には「WiBRo」としてサービスが始まる。