無償修理対象機種の総出荷数1000万台以上――

国会議員の年金未納騒ぎで世の中が揺れていた2004年春ごろ。業務用カメラ業界では,相次ぐカメラの故障の話で持ち切りだった。ある検査用カメラのユーザーは「納入した製品のうち20%以上が,わずか数カ月で次々に壊れた。あまりに不良率が高すぎる」といきどおりを隠さない。

<2度と起こさない>
事前評価を擦り抜けた火種
情報の開示不足があだに

幾重もの信頼性試験で問題なしとされたはずのCCDに発生した不具合は,電機業界を震撼させた。不具合の火種を見逃した原因は2つある。1つは,2種類の要因が重なって起こる現象だったこと。もう1つは,「ヨウ素化合物による腐食」という故障メカニズムが未知のものだったことである。

<インタビュー>
不具合抑止に向けて
部材メーカーと協業を強化

——ソニーの品質管理責任者に聞く

<不具合を超えて>
ワイヤ接続にこだわらず
代替パッケージで価値向上

今回の不具合を抑え,生産性も低下させない。さらにはカメラ自体の魅力も向上する。こうした可能性を有するパッケージがCSPである。携帯電話機向け撮像素子に使われる中で,従来の課題だった歩留まりの低さなどがほぼ解消された。薄くて,小型で,丈夫なCSPが次代の撮像素子を支える。