日経ものづくり 組み込みソフト玉手箱

第11回 スキル標準で計画的に技術者育成

情報処理推進機構 ソフトウェア・エンジニアリング・センター
田丸喜一郎

●組み込みソフト開発に必要なスキルの標準ができた
●技術者のキャリアパス設計にも利用できる
●組織的な技術者育成を通して,ソフト品質の向上を図れる

 品質の向上は,組み込みソフトウエアに関する喫緊かつ最大の課題である。本連載でも述べてきたように,組み込みソフトの不備が原因でリコールされる製品は多い。「ハードの不始末をソフト開発者が尻ぬぐいさせられる」という傾向があるにしても,組み込みソフトの開発がこれまで通りでよいということにはならない。
 機械技術者も同じだが,ソフト技術者も人手不足の中,長時間の残業をしながら仕事をこなしている。この状態を解消するにも,組み込みソフト技術者の育成は極めて重要。そのためには客観的,組織的な技術スキルの評価指標が必要になる。
 情報処理推進機構ソフトウェア・エンジニアリング・センターと経済産業省組込みソフトウェア開発力強化推進タスクフォースは共同で,「組込みスキル標準『ETSS』」を策定,公表した。組み込みソフト開発に関する人材の育成と活用について,さまざまな業界に横断的に利用できる。