日経ものづくり 詳報

約9割の部品再利用率を達成
キヤノンが“再製造”複合機を製品化

外装カバーを粉砕した粒子で外装カバーをブラスト洗浄

 キヤノンは,部品の再利用率が約9割にもなる複合機を「Refreshed」シリーズとして製品化。その第1弾として「キヤノンiR3310F-R」など3モデルを,2005年8月23日から順次発売した(図)。
 顧客から使用済みの製品を回収・分解し,洗浄などの再生処理を施した部品を利用する。特に,外装カバーの洗浄技術を確立したことで,再利用率が大幅に向上した。

分解前に最初の選別
 複合機はもともと,ユーザーからの回収率が高い製品だ。製品の回収数は「3年後くらいから増え始め,4~5年後がピークとなる」(キヤノン)という。発売したRefreshedシリーズの元となる製品(ベースモデル)は約4年前に発売しており,ちょうど回収数のピークを迎える時期である。
 回収した製品を分解するのにもコストは掛かる。そのため,分解前に最初の選別を行う。ここで基準となるのは,回収した複合機の使用年数とカウンタ枚数だ。例えば,あまりに利用枚数が多い装置では部品の消耗度合いが激しくなる。

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図●「キヤノンiR3310F-R」
回収した使用済み製品の部品を再利用する複合機「Refreshed」シリーズの第1弾。