「日本ではカウンセリングに対するイメージが悪い」

 介護以外の展開としては、過敏性腸症候群や尿失禁などに悩む人たち、病気の後遺症により移動が困難な患者、上手く便意や尿意を伝えられない幼児などを想定している。初期段階のビジネスモデルは初期費用+月額費用を併用したBtoBを考えており、中長期的には超音波センサー装置の特性を生かしたデータプラットフォームの提供により、BtoBtoCを目指すとした。

Dfreeを軸としたデータプラットフォームの概念図
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 続いて登壇したのはcotree 代表取締役社長の櫻本真理氏。2014年5月に設立したばかりの企業で、オンラインカウンセリングサービス「cotree」を展開している。

 櫻本氏は京都大学を卒業後、モルガン・スタンレー証券、ゴールドマン・サックス証券に勤務。ゴールドマン時代には証券アナリストとして活躍し、退社後にいくつかのスタートアップに関わった後、自ら起業してヘルスケアビジネスに参入した。

 cotreeには複数のカウンセラーが登録済み。ウェブ上で予約を入れ、仮想診療室のようなサービスを提供する。サービス体系は期間内定額無制限のメッセージベースの相談と、1回45分のSkypeカウンセリングの2通りがある。

 「うつ病と診断される方々の6割は最初に内科に行く。それほどまでに心と自律神経と体はつながっている」と櫻本氏は説く。日本において1年間にうつ病と診断される人は100万人、診断を受けないがうつ状態になる人は500~600万人と推測されるにもかかわらず、心療内科に行くことをためらう層が圧倒的だ。「日本ではカウンセリングに対するイメージが非常に悪く、受診料が高い、病気の人が行く、怪しいといったイメージがある。結果として国内のカウンセリング市場は200億円程度。対して米国では1.8兆円のマーケットがある」(櫻本氏)。