家畜購入代は4羽、6頭で100万円以下

 そもそも、「久兵衛2号」の雑草対策だけでも、家畜による除草は、経済的に利点が大きいという。大分石油では、家畜をすべて購入した。「格安で買えたこともあり、エミュー4羽、ヤギ4頭、ヒツジ2頭の購入費は100万円以下で収まる」という。一方、メガクラスの発電所の場合、年に2回、除草を依頼すると100万円かかるという(図6)。冬の餌代などのコストを考慮しても、数年で元が取れる計算になる。

図6●「久兵衛1号発電所」は人手で草を刈り、「久兵衛2号」の家畜に食べさせている(出所:日経BP)
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 大分石油が家畜を導入することになったのは、メガソーラー建設中に雑草対策を検討し始めてからだった。「ヤギ除草の取り組みを知り、草食動物を調べるなかで、ヤギのほか、ヒツジやダチョウも検討し始めた。永岡壮三社長が動物好きなこともあり、ダチョウ牧場を訪れて話を聞いたこともある」と須田課長代理は打ち明ける。

 「ダチョウは成長すると2mを超えるうえ、気性が荒く飼うのは難しいと判断し、同じ飛べない鳥の仲間でも、少し小型で大人しいエミューを導入することにした」という。