九電工の本松 政敏理事・営業本部 再生エネルギー部 部長
(撮影:日経BP)

九電工は、メガソーラー(大規模太陽光発電所)のEPC(設計・調達・施工)サービスで国内トップクラスの実績を持つ。特に、接続申し込みの急増で、回答の保留を招いた九州での実績が豊富である。九電工の再生可能エネルギー事業を牽引する、本松政敏理事・営業本部 再生エネルギー部部長に、現状や今後の展望などを聞いた(関連インタビュー1同インタビュー2)。

――メガソーラーのEPCサービスの最近の動向を教えてください。

本松 固定価格買取制度(FIT)における買取価格が、2013年度の1kWh当たり36円(税抜き)から、2014年度に同32円(税抜き)に下がって以降に設備認定された案件の受注は、ほとんどありません。

 ただし、同36円以前の買取価格で設備認定を受け、電力会社から接続承諾を受けている案件の受注残や受注見込みが多くあります。出力10MW以上が中心です。

 こうした大型の案件は、数年がかりで開発し、造成から手掛けることが多くなります。造成工事だけで約1年間を要した後、太陽光発電設備を設置することになり、すべての案件を合わせて、施工の業務としては今後、2~3年間、続くことになります。中には、林地開発が必要な場合もあります。

 開発や造成に関する手続きや作業にめどがつき、ようやく受注額として計上できるようになってきている状況です。

 同40円(税抜き)の買取価格の大型案件も残っています。5月に発表した、鹿児島県鹿屋市と大崎町にまたがる土地での出力約92MWが、その一つです(関連ニュース1)。

 ゴルフ場の建設計画が中止された土地で、合計約200万m2の丘陵地に設置します。ガイアパワー(徳島県阿南市)、京セラ、東京センチュリーリースと設立したSPC(特定目的会社)が発電事業者となり、九電工とガイアパワーのJV(共同事業体)がEPCとO&Mを担当します。