高松の法人会メンバーが連携

 地権者総代表を務める県議会議員のほか、高松南倫理法人会のメンバーを中心に2012年2月以降、15回もの会合を重ねた。5月には香川県庁を訪れて、会社設立と太陽光発電所の建設について説明し、「うどん県」を社名の一部に使うことについて了解を得た。7月に「うどん県電力」を設立して発電所の建設に着手、同年12月には完成した。

 その後、2014年12月に343kW分の太陽光パネル、定格250kWのPCSを増設し、トータルで1MW近い発電能力となった(図9)。加えて、うどん県電力として、太陽光発電所の施工を請け負う機会も増え、これまでに20件近い案件を施工した実績がある。

図9●増設したエリアでは、杭基礎を使いほぼ平らに設置した(出所:日経BP)
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 実は、うどん県電力は、次のステップとして、市民ファンドを立ち上げて市民から出資を募り、太陽光発電所を建設することも検討していた。「地元の中小企業が集まって発電所を作ることで、仕事や利益が地域に循環する意義が大きい。加えて、アパートなど賃貸住宅に住む人の中には、太陽光パネルを取り付けたくても出来ない人も多い。こうした人たちの受け皿になる太陽光発電所を目指した」と、うどん県電力の伊藤さんは言う。

 しかし、「うどん県マイソーラー国分寺新名発電所が完成して以降、ほかの太陽光発電所の施工などの仕事が急増し、手間のかかる市民ファンドに取り組む余裕がなくなってしまった」(伊藤さん)という。そこで、伊藤さんが個人の立場で市民ファンドに取り組むことにした。市民から出資を募りつつ、所有する林地に建設することにした。