文部科学省と科学技術振興機構(JST)が旗振り役となって2013年から実施している「センター・オブ・イノベーションプログラム(The Center of Innvation Program)」。略して「COI」と呼ばれるこのプログラムは、「10年後、どのように社会が変わるべきか、人が変わるべきか、その目指すべき社会像を見据えたビジョン主導型のチャレンジング・ハイリスクな研究開発を支援」(2015年版の事業パンフレットより引用)するものだ。

 COIには1~3まで3つのビジョンがあり、現在、全国18カ所に「COI拠点」を設置している。プログラムは産官学が連携する形で進められ、中でもビジョン1は「少子高齢化先進国としての持続性確保」という命題のもと、これからの日本が急務とするテーマに取り組む。このビジョン1の中で、県全体を巻き込む大きなうねりになりつつあるのが、青森県の弘前大学を中心とした「弘前COI」である。

 3年目を迎えた弘前COIの研究報告が、2015年7月3日に東京・神保町の一橋講堂にて行なわれた。当日はあいにくの大雨ながら、500席にも及ぶホールは満員の大盛況となり、その光景は本プログラムに対する関心の高さを物語っていた。冒頭、文部科学省や科学技術振興機構からの来賓とともに、青森県の三村申吾知事が挨拶。快活な語り口で弘前COIの成果を称え、強力なサポーターとして助力を惜しまない姿勢をアピールした。

挨拶に立った青森県の三村申吾知事
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