奈良県北部に位置する天理市は、多くの神社や天理教関連の施設が集中しており、宗教文化都市として知られる。東部は大和高原が広がり、大阪から同市に向かう西名阪自動車道、そして名阪国道は山の谷間を走る。大阪いずみ市民生活協同組合が建設したメガソーラー(大規模太陽光発電所)「奈良・天理太陽光発電所」は、福住インターチェンジを降りて、10分ほどの丘陵にある(図1)。

図1●大阪いずみ市民生活協同組合が建設した「奈良・天理太陽光発電所」
(出所:大阪いずみ市民生活協同組合)
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 広域農道から、林間の小道を下ると、縦長の鶏舎が見える。その鶏舎を横目にさらに下ると、その先に整然と並べられた太陽光パネルが目に入る。山の中腹を南北に細長く造成した1万1417m2の用地に3948枚の多結晶シリコン型太陽光パネルを設置した。パネルの出力は1.02MW、パワーコンディショナー(PCS)の定格出力は1MWとなる。今年2月2日から関西電力に売電を開始した。年間112万8314kWhの発電量を見込んでいる。

 テス・エンジニアリング(大阪市淀川区)がEPC(設計・調達・施工)サービスを務め、稼働後のO&M(運営・保守)も担当する。太陽光パネルは中国ジンコ・ソーラー製、PCSは東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製、架台は台湾のトライエース社のアルミ製を採用した。投資総額は2.99億円で、投資回収は12年を見込んでいる。

 大阪府堺市に本部を置く大阪いずみ市民生活協同組合は、組合員数48万1157世帯(2015年3月末時点)、宅配を中心に2014年度の供給高770.2億円と、市民生協として全国有数の規模を持つ。活動エリアは、東大阪市から岬町までの大阪南部地域になる。