ノーベル賞物理学賞の受賞で注目を集めた青色LED。その材料であるGaN(窒化ガリウム、ガリウムナイドライド)も、脚光を浴びている。GaN系半導体を利用すれば、大幅な省エネ効果を期待できる電子デバイスを実現できるからだ。
例えば青色LEDの実用化によって、白色LEDが生まれ、LED照明が普及した。これにより、照明の消費電力を大幅に削減できる。LEDに次ぐ次世代照明として期待されているのが、GaN系半導体レーザーを用いた照明だ。既に自動車のヘッ ドランプで採用が始まるなど、次世代照明として注目を集めている。
LEDや半導体レーザーといった発光素子に続いて、期待を集めているのが、パワーデバイスの分野である。インバータやコンバータなどの電力損失を大幅に低減できる、次世代のパワーデバイスとして注目されており、研究開発が激化している。
そして最近では、水と二酸化炭素、そして太陽光から有機物を作り出す植物の光合成を模倣する「人工光合成」においても、その効率を向上させるデバイスとして、GaNなどの窒化物半導体が着目されている。
そこで本コラムでは、日経テクノロジーオンラインや日経エレクトロニクスに掲載された、GaNの発光素子やパワー半導体、人工光合成に関する記事をピックアップしてお届けする。
発光素子
パワーデバイス
人工光合成
パナソニック、植物並みの効率の人工光合成を窒化物半導体で実現
パナソニックは2012年7月30日、植物並みの効率で人工光合成できるシステムを開発したことを明らかにした(パナソニックのプレス・リリース)。人工光合成とは、水と二酸化炭素、太陽光から有機物を作り出すという植物の光合成を人為的に実現することである。
2012/07/30