羽生市は、埼玉県の北東部、利根川を隔てて群馬県に隣接する。水利がよく土地も肥沃なため、早くから農耕文化が栄え、古い塚や古墳から多くの埴輪が出土した。「羽生(はにゅう)」の地名は、「埴輪(はにわ)」から転化したともいわれている。

 同市から排出される浄化槽汚泥や生ごみを処理し、肥料に再資源化する「羽生市汚泥再生処理センター」は、利根川に近い畑作地帯にある。2014年1月、同施設と道を隔てた市所有の遊休地に「羽生市太陽光発電所(愛称:サンパーク村君)」が完成し、発電を開始した(図1)。

図1●「羽生市太陽光発電所(愛称:サンパーク村君)」(出所:日経BP)
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図2●停電時に自立型PCSに切り替えることで、非常用コンセントが利用できる(出所:日経BP)
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 当初は、出力500kWで発電を開始したが、2015年2月に隣接地に約100kWを増設し、合計で約600kWとなった。日本アジアグループ傘下の国際ランド&ディベロップメント(東京都千代田区、以下国際L&D)が、EPC(設計・調達・施工)サービスを担当し、東芝製の単結晶シリコン型太陽光パネルを2528枚敷き詰めた。パワーコンディショナー(PCS)は、三社電機製作所製を採用した。災害時など電力系統が停電した場合、100Vコンセントが10個に電力を供給できる自立型の小型PCSも導入した(図2)。