前回前々回に続き、NTTスマイルエナジー(大阪市)による、クラウドコンピューティングを使った電力の見える化サービス「エコめがね」を通じて把握したトラブル事例や、その傾向などについて紹介する。

 太陽光発電による出力は、天候などに左右される。これによる不安定さや、予測の難しさが、電力網に大量に導入しようとする際の課題の一つとなっている。

 安定的で、予測しやすい電力として供給できれば、使いこなしやすい電力となる。このための手法の一つに、蓄電池の設置があるが、導入コストが高い。

 1カ所では出力変動などが大きく、不安定な電源である太陽光発電を、蓄電池などを導入せずに、比較的、安定した電源として運用できるサービスを、NTTスマイルエナジーが提案している(図1)。

図1●さまざまな場所にある太陽光発電システムによる電力を束ねる
1カ所の太陽光発電システムによる発電量に比べて、予想しやすく安定する(出所:NTT スマイルエナジー)
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 それぞれの太陽光発電システムの出力は不安定でも、地域が異なる多くの発電システムの電力を集めることで、合計した出力のカーブはなだらかになる。

 クラウドコンピューティングを活用した、太陽光発電システムの発電状況を遠隔監視する同社のサービス「エコめがね」を導入済みの、さまざまな地域に分散した太陽光発電システムによる電力を束ねて、新電力大手のエネット(東京都港区)に売電する。

 固定価格買取制度(FIT)で定められた買取価格を上回る額で、NTT スマイルエナジーが買い取り、エネットに一括で売電する。このサービスを「エコめがねPlus」と称し、サービスを取り扱う太陽光発電システム会社の募集を開始した。