CCRC――。米国で発展した新しい形の高齢者共同体のことで、高齢者が健康時から介護時まで移転することなく継続的ケアが保証されるコミュニティーを指す。ここにきて日本でも、政府主導のもと導入の機運が高まっている(関連記事)

 三菱総研が2015年5月20日に開催した「日本版CCRC推進会議 第2回」では、日本版CCRCの先駆者といえるスマートコミュニティ 代表取締役社長の染野正道氏が登壇。同社が2010年から千葉市稲毛区(千葉県)で運営している「スマートコミュニティ稲毛」について語った。

スマートコミュニティ 代表取締役社長の染野正道氏
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 「日本最大級のCCRC」をうたうスマートコミュニティ稲毛には現在、分譲型マンションに約700名が暮らし、クラブハウス・娯楽施設併用のコミュニティー施設は約1000人が同時に過ごせる大規模なもの。さらに徒歩10分の場所に2万坪以上のグラウンドを備え、ゴルフ、野球、サッカー、テニス、ジョギングなど多様なスポーツ利用が可能だ。

 「2010年当時の名称は『アクティブシニア・コミュニティー』。当時、CCRCという言葉を知っていたのは我々と三菱総研の松田(智生)氏ぐらいだったのではないか」(染野氏)。マンションとクラブハウスの敷地はイトーヨーカードーの跡地を利用したもので、分譲マンションにこだわったのは「民間の事業者が補助金などに頼らず、ローリスクで産業として成立できるビジネスモデルだから」と語った。