イデアクエストの坂本氏。出展ブースで
イデアクエストの坂本氏。出展ブースで
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OWLSIGHTのセンサー部
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捉えた輝点画像から動きを算出
捉えた輝点画像から動きを算出
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新生児の呼吸機能診断などにも
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 慶応義塾大学発のベンチャー企業、イデアクエスト(東京都大田区)は、赤外光を用いた非接触・無拘束のベッド見守りシステム「OWLSIGHT(アウルサイト)」を2015年秋に事業化する。立つ、座るといった姿勢変化を伴う大きな動きや、食べ物の飲み込み(嚥下)や呼吸などの小さな動きの両方を検出できるのが特徴だ。

 想定するのは、介護施設における高齢者見守りなどの用途。「第18回 国際福祉健康産業展 ウェルフェア2015」(2015年5月21~23日、名古屋市国際展示場)に出展した。

胸や喉の動きも捉える

 OWLSIGHTは、イデアクエスト 代表取締役会長CTOで慶応義塾大学名誉教授の中島真人氏が開発した技術に基づくシステム。「FG(fiber grating)視覚センサー」と呼ぶ技術を利用する。

 FG視覚センサーは、半導体レーザーと5mm角のFG素子、CCDカメラから成る。レーザー光をFG素子に照射すると、光の回折によって前方の投影面(スクリーン)に約2000個の輝点が投影される。この輝点をCCDカメラで撮影し、対象物の動きに伴う輝点の移動量を測定して動きを捉える仕組みだ。

 例えば、人が呼吸すると胸が動き、食べ物を飲み込むと喉の表面が動く。胸や喉に投影した輝点をCCDカメラで動画撮影し、輝点がどのように動いたかを解析することで、胸や喉の動きを時系列で捉えられる。