太陽光発電向け大型パワーコンディショナー(PCS)の国内市場で、群を抜くシェアを持つ東芝三菱電機産業システム(TMEIC)。1MW以上のメガソーラー(大規模太陽光発電所)の案件では、容量ベースで50~60%のシェアを持つとみられる。

 米調査会社のIHS社による2014年の太陽光発電向けPCS(家庭用からメガソーラーまで全容量域を含む)の世界市場におけるランキング(米ドル・出荷額ベース)によると、第1位はドイツSMAソーラーテクノロジー社、2位はスイスABB社、3位は住宅用PCSに強いオムロン、そして4位がTMEICとなっている。

ただし、容量別の集計データを見ると、国内のメガソーラー市場をリードするTMEICは、特に100kW超の大型PCSでは、2014年のIHS社調査速報ランキングで世界トップとなるまで販売を伸ばしている。

 TMEICの太陽光発電用PCSの出荷実績は、容量ベースで2013年度の1606MWから2014年度には2536MWと57.9%増加した(図1)。そのうち海外向けの比率は、2013年度の約5%から2014年度は約10%まで伸びている。

図1●太陽光発電システム用パワーコンディショナー(PCS)の受注容量と出荷容量の実績(出所:TMEIC)
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 固定価格買取制度(FIT)で急成長する国内市場で高いシェアを維持して販売を増やすとともに、ここ2年は、海外向けがそれ以上の増加率で伸びている。海外比率は、今後2015年度には25%、2016年度に45%、2017年度には国内向けを超える65%に高めるイメージで計画を立てている(図2)。

図2●太陽光発電システム用PCSの出荷容量における国内海外比率のイメージ。2014年度までは実績。青色が国内、黄色が海外(出所:TMEIC)
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