固定価格買取制度(FIT)の役割は、国内に太陽光発電を普及させることだけではない。太陽光発電の建設や運営を支える新産業を育て、企業に成長の機会を提供することも期待される。再生可能エネルギー市場は海外でも急拡大している。世界に通用する技術やノウハウを蓄積した企業は、国内に留まらず、海外市場での展開が視野に入る。再エネ分野で世界を目指す日本企業の海外戦略を追う。
再エネで世界に飛躍する日本企業
固定価格買取制度(FIT)の役割は、国内に太陽光発電を普及させることだけではない。太陽光発電の建設や運営を支える新産業を育て、企業に成長の機会を提供することも期待される。再生可能エネルギー市場は海外でも急拡大している。世界に通用する技術やノウハウを蓄積した企業は、国内に留まらず、海外市場での展開が視野に入る。再エネ分野で世界を目指す日本企業の海外戦略を追う。
目次
-
中東最大級の新エネ展、日本企業がロボットやパワコンで存在感
世界から850社が出展、成長市場での技術力をアピール
アラブ首長国連邦(UAE)・アブダビのアブダビ国際展示場で1月13日~20日、環境技術を活用して持続可能な社会を目指すイベント「アブダビ・サステナビリティ・ウィーク(ADSW)2018」が開催された。
-
新工場を武器にパワコン世界トップを狙うTMEIC(後半)
日本の「モノづくり」のノウハウを海外に展開
国内のメガソーラー(大規模太陽光発電所)向けの大容量パワーコンディショナー(PCS)で群を抜くシェアを持つ東芝三菱電機産業システム(TMEIC)が、海外戦略を加速させている。今年8月に米国、10月にインドでPCSの新工場を稼働させた。新工場を弾みに、2020年には両市場合わせ、PCSを主体にパワーエ…
-
現地生産を進め、パワコンで世界トップ狙うTMEIC(前半)
インド・米国で相次ぎ新工場を立ち上げ
国内のメガソーラー(大規模太陽光発電所)向けの大容量パワーコンディショナー(PCS)で群を抜くシェアを持つ東芝三菱電機産業システム(TMEIC)が、海外戦略を加速させている。今年8月に米国、10月にインドと、相次いでPCSの新工場を稼働させた。同社はすでに両国での販売実績を伸ばしており、欧州大手メー…
-
東北工場から世界を狙うソーラーフロンティア
米欧と中東、地域ニーズに合わせ、着実に布石
ソーラーフロンティア(東京都港区)が海外展開を加速している。同社は、2014年に約850MWを出荷したが、そのうち海外向けは約1割に留まった。今年の出荷量は約900MWに増加する計画で、そのうち海外向けは約3割に上昇する見込みだ。世界的な太陽光デベロッパーの米国法人を買収する一方、欧州では自家発電市…
-
<第1回>パワコンで世界トップ目指すTMEIC
米中印に工場を建設、グローバル生産・供給体制を構築
太陽光発電向け大型パワーコンディショナー(PCS)の国内市場で、群を抜くシェアを持つ東芝三菱電機産業システム(TMEIC)。1MW以上のメガソーラー(大規模太陽光発電所)の案件では、容量ベースで50~60%のシェアを持つとみられる。