福井県済生会病院 経営企画課の竹内将氏は、2015年5月19日に東京・虎ノ門で開催された「Microsoft CityNext ソリューション フォーラム 2015」(主催:日本マイクロソフト)に登壇。「病院経営の健全化に向けた院内データ活用と情報共有の取り組み」と題して講演した。

福井県済生会病院の竹内氏
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 福井県済生会病院は病床数460、従業員数約1200人を擁する大規模な総合病院。1993年に移転、拡大し、現在の規模に成長した。移転当時と比べて従業員数は2倍以上、1日当たりの患者数はおよそ1.5倍に増え、さまざまな問題を抱えるようになったという。例えば、業務量の増加によるサービスの低下、従業員間のコミュニケーション不足、新人従業員の増加による全体の方向性の共有不足、などである。

「SharePoint Server」で情報共有

 これらの問題を解決するため、福井県済生会病院は情報共有ツールとしてポータルサイトとデジタルサイネージを導入した。

 ポータルサイトについては、マイクロソフトの「SharePoint Server」を利用。院内の全てのパソコンから閲覧可能とした。院内のニュースや表彰、患者や従業員からの意見などを共有できる。意見交換のための掲示板機能もある。

 業務に関することだけでなく、福利厚生の案内やサークル活動のページも設け、従業員の利用を促した。この結果、職員の満足度調査で「ビジョンや理念が明示されている」「部門横断型の委員会やチームが機能している」といった質問への回答が、全国平均を大きく上回る結果を得た。

 一方、日々の業務でポータルサイトを読んでいる時間が取れない人のため、更衣室や食堂、休憩スペースなど院内の42カ所にデジタルサイネージを設置した。重要な情報が目に入るようになり、看護師の約8割が有効だとアンケートに答えたという。