福島県須賀川市に1979年に開業した「福島空港ゴルフクラブ」は、福島空港を眼下に望む高台に位置し、豊かな自然を楽しみながらプレーできる山岳コースが特徴だった。東日本大震災と福島第一原発事故の影響で来場者が減少するなど、経営難となり、2013年1月に閉鎖された。

 健康食品などを販売するサニーヘルス(長野市)は、同ゴルフ場跡地にメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設することを前提に2012年12月に用地を取得した。2013年3月に経済産業省から設備認定を取得し、2014年1月に建設に着手し、2015年3月に「サニーソーラー福島中央発電所」として竣工した。太陽光パネルの出力は26.2MWに達し、稼働済みのメガソーラーとしては、東北地方で最大規模となる(図1)。

図1●「サニーソーラー福島中央発電所」の全景(出所:JFEエンジニアリング)
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 サニーヘルスは、「マイクロダイエット」など美容・健康関連食品や化粧品の企画・販売を中心に事業展開している。加えて、航空機リースや太陽光発電など、積極的に経営の多角化を進めてきた。太陽光発電事業は、2013年2月から取り組み、現在では全国に100件以上の太陽光発電所を稼働している。ただ、異業種からの参入ということもあり、当初は、開発済みの案件を取得する形が中心だった。「『サニーソーラー福島中央発電所』は、サニーヘルスの太陽光発電所のなかで最大規模であると同時に、開発段階から自ら手掛けた最初の発電所でもある」。サニーヘルスの渥美典雄・新事業部部長は、同発電所への思い入れを語る。