ダムで水を堰き止める「堤体」に、太陽光パネルを張り付けて、メガソーラー(大規模太陽光発電所)として活用する――兵庫県企業庁がこんな斬新な空間利用に挑戦した。

 兵庫県加古川市にある、権現ダムに設置した出力約1.76MWの「権現ダム太陽光発電所」である。ダムの堤体を活用した太陽光発電は、国内では初めてという(図1~2)。

図1●ダムの堤体に6912枚の太陽光パネルを張り付けた
(出所:日経BP)
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図2●加古川から汲み上げた水を工業用水として供給する権現ダム
(出所:日経BP)
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 権現ダムは、1981年に完成し、工業用水の供給を担っている。川を堰き止めて水を貯めるのではなく、近くを流れる加古川から水を汲み上げる揚水式ダムである。工業用水を安定的に供給するのを目的とする。

 岩石や土砂を積み上げて堤体を築く「ロックフィルダム」と呼ばれる形式のダムである。