メガソーラー(大規模太陽光発電所)において、トラブルが生じるのは、発電設備だけに留まらない。豊かな自然に囲まれていることも多く、立地によっては、例えば、敷地を囲んでいるフェンスが損傷することもある。

 出力50kW以上の太陽光発電所に関しては、敷地内に部外者が立ち入らないように、柵や塀を設けることが定められている。

 敷地外からの人や動物の不要な侵入、それによる事故などを防ぐのが目的である。日本のメガソーラーでは、その手段としてフェンスが多く採用されている。

 立地する環境やコストなどを勘案して、目的に合った高さや堅牢性などを満たすフェンスが選ばれる。

 しかし、メガソーラー設計時の想定を超えて雑草が伸びて、フェンスに絡みついた結果、フェンスが倒壊してしまうといったトラブルが生じている。

 例えば、メガソーラーの敷地外に生えたツル植物が、外周を囲うフェンスに、次々と絡みついてしまうことがある。

 ツル植物は、放置しておくと、どんどん太くなっていく。あっという間に、木のような太さ、強さになってフェンスに絡まり、金網のフェンスがツル植物の膜や壁のようになってしまう(図1~2)。

図1●フェンスに巻き付いたツル植物
広島県東広島市にある約2MWの「広島空港流通工業団地太陽光発電所」の例(出所:日経BP)
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図2●除去後に残っていたツルの切れ端。木のような太さと強さになっている
茨城県常陸太田市にある約1.9MWの「サン・ファクトリー檜山 常陸太田太陽光発電所」の例(出所:日経BP)
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 こうした状況で、強風が吹きつけると、フェンスは風の逃げ道が少ない状態で、強い風圧をもろに受けることになり、傾いたり倒れたりすることがある。