電子カルテとリンク、総合的な判断で病名登録

 NCNPバイオバンク情報管理システムは、電子カルテシステムや解析用システム(SAS)などの外部システムとの連携を実現し、必要な情報をインポートしたり、エクスポートしたりできる環境を実現している。特に検体情報と臨床情報を一体的に管理する上で電子カルテシステムとのリンクは不可欠となる。参加同意を得た患者さんについては、診断情報や処方情報などが取得可能だ。

 ただし、電子カルテ上の診断情報は、外来診察段階では医師の評価が一定とはいえず、複数の病名が付いていたり、保険病名が記載されている場合もある。そのため、病院医療情報室長の波多野賢二氏が独自に病名の確度を点数化できるアルゴリズムを開発し、病名を確度の高い順にランク付けすることが可能となった。ランク付けされた病名は、FileMakerで構築したNCNPバイオバンク情報管理システムにインポートされ、臨床心理士の症状評価検査、服薬情報など、様々な情報と併せて1画面に集約することにより総合的な判断で精査され、最終的には医師が確定診断名を承認している。

電子カルテ上の病名、診断面接・症状評価の結果、服薬情報などが集約された病名情報画面上で総合的に判断して病名を登録する。
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