神奈川県相模原市にある「谷ヶ原配水池」の上にある、出力1MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)が「谷ヶ原太陽光発電所」である(図1)。JR・京王電鉄の橋本駅からクルマで約20分ほどの場所にある。

図1●谷ヶ原配水池の上にある出力1MWのメガソーラー
配水池は地中にある(出所:日経BP)
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 発電事業者は、神奈川県企業庁となる。

 神奈川県企業庁では、多目的ダムなどを活用し、水を供給する水道事業とともに、1943年12月以降、沼本ダムの水を使った津久井発電所(現在は城山ダムの水も活用)を皮切りに、発電事業に取り組んできた。

 13カ所、合計出力約355MWの水力発電所で、幅広い方式の水力発電を展開していることが特徴という。

 川を堰き止めて、ダムの高低差を利用する「ダム式」(3カ所)、取水堰やダムでせき止めた水を、導水路に流して作り出した落差を利用する「水路式・ダム水路式」(9カ所)、夜間の余剰電力を使い、湖に水を汲み上げて作った落差を利用する「揚水式」(1カ所)の水力発電所を運営している。

 中でも、出力250MWの城山発電所は、地方自治体が発電事業者となる、国内で唯一の揚水発電所となっている。

 水力発電に加えて、太陽光発電事業を手掛けることになったきっかけは、東日本大震災による電力の安定供給への影響を踏まえ、神奈川県が「かながわスマートエネルギー計画」を打ち出したことだった。