北海道南部の豊頃町は、十勝川河口に位置する十勝地方発祥の地。町名の「とよころ」は、アイヌ語の「トエコロ」に由来し、「大きなフキが生えていたところ」を意味するという。JR根室本線の豊頃駅から徒歩5分。周囲約1.5kmの佐々田沼は、北海道の形で知られる。冬は全面凍結することもあり、かつては天然スケートリンクが作られた。

 沼の周辺は公園になっていて、湖畔を散策する「佐々田沼公園遊歩道」がある。ミズナラの枝をくぐり、ドングリを踏みながら歩き始めると、湖面を挟んで向こう岸の丘陵に整然と並べられた太陽光パネルが目に入る(図1)。2014年12月から運転を始めた「いちご豊頃ECO発電所」だ。いちごグループホールディングス傘下の事業子会社であるいちごECOエナジー(東京都千代田区)が建設したメガソーラー(大規模太陽光発電所)だ。3744枚の太陽光パネルを設置し、出力は約1.03MWに達する。

図1●湖面を挟んで向こう岸に見える「いちご豊頃ECO発電所」(出所:日経BP)
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 さらに遊歩道を進むと、フェンス越しにメガソーラーを間近に見られる。土地なりに設置した架台に、太陽光パネルが斜めに取り付けられているのが分かる。互い違いに接したパネルが、濃紺と白線による煉瓦模様を作り出し、周囲の自然に不思議と馴染んでいる(図2)。

図2●煉瓦模様のアレイが周囲の自然に馴染んでいる(出所:日経BP)
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