東芝三菱電機産業システム(TMEIC)は、メガソーラー(大規模太陽光発電所)向けの大型パワーコンディショナー(PCS)で、国内シェアトップを走っている。国内市場での実績や今後の見方、接続保留問題の影響、今後の戦略などについて、国内の太陽光向けPCSの営業を統括する産業第三システム事業部・第四ユニットの木暮洋ユニットマネージャーに聞いた。

――太陽光パネルでは海外勢のシェアが急拡大するなか、大型パワーコンディショナー(PCS)の国内トップメーカーとして、市場拡大に対応し、順調に販売を増やしています。

TMEICの産業第三システム事業部・第四ユニットの木暮洋ユニットマネージャー

木暮 2014年度(2014年4月~2015年3月)の太陽光発電用PCSの出荷実績は、台数ベースで約4500台、容量ベースでは2170MW(2.17GW)に達する見込みです。現在、1MW以上の案件では、容量ベースで50~60%のシェアと推定しています。固定価格買取制度(FIT)で急拡大したメガソーラーの国内市場に対し、商品開発で先行した製品の優位性をうまく営業戦略につなげられた成果と感じています。2015年度も販売は好調で、東京都府中市の工場はフル稼働が続いています。

――2014年10月以降、九州電力に端を発した接続保留の問題などにより、太陽光発電には逆風も吹いています。影響は感じられますか?

木暮 九州電力管内では、買取価格36円/kWhの案件の中にも、接続可能量を超えた接続となり、「無制限・無補償」の出力抑制が条件となる場合が出てきています。こうした条件であっても実際に抑制される発電量を検討した結果、プロジェクトを続ける意思を持つ事業者が多く、止めるケースは少数派です。保留問題は大騒ぎになりましたが、TMEICが関わっている案件に関しては、それほど大きな影響はありません。ただ、無制限・無補償の条件となったことで、金融機関との調整に時間がかかっている事業者さんはいます。