ローソンの玉塚氏。講演では、価格に対するユーザーの不満などが原因で、関西地方でのナチュラルローソン展開から撤退した過去を明かした。「関西には再チャレンジする」。
ローソンの玉塚氏。講演では、価格に対するユーザーの不満などが原因で、関西地方でのナチュラルローソン展開から撤退した過去を明かした。「関西には再チャレンジする」。
[画像のクリックで拡大表示]

健康商品の売り上げ、2年後に食品全体の1/4突破へ

 提携農園で育てた野菜や、糖質やカロリーを抑えた食品などの「健康商品」の開発・販売拡大にも力を入れている。2014年度の健康商品の売り上げは1180億円で、食品全体の10%だったが、2015年度には2000億円、18%となる見込み。2017年度には3000億円、26%まで拡大することを目指す。

 同社の健康商品の代表格は「ブランパン」シリーズ。小麦や米のふすま(表皮)を使ったパンで、シリーズの年間販売数は3000万個。糖質を抑えた主食として人気を博しており、糖尿病患者からは「糖質制限をしている自分が、主食をコンビニで手軽に買えるのは画期的」といった声が聞かれたという。

 玉塚氏は「当社は加盟店ビジネスであり、会社が売りたい商品を加盟店が売ってくれるわけではない。当然、健康商品より『からあげクン』のほうが圧倒的に売れる。だからこそ、健康商品は美味しくなければいけない。ブランパンも当初はブラン特有のニオイがしたり、パサついたりしたが、改良を重ねた今では味がかなり良くなった」と美味しさへのこだわりを語った。

 健康志向のスナック菓子も、国内メーカーと協力して開発している。このシリーズの商品はそれぞれ、通常の商品よりも乳酸菌を多く取れる、塩分が少ない、カロリーが少ないといった特徴を持つ。ナチュラルローソンの名前を冠し「健康スナック」「カラダに優しいお菓子」などとして販売。2014年6月の発売から1カ月で300万個を売り上げた。ホスピタルローソンでも一部商品を販売しており、好評という。