パネルメーカーの投資戦略は、2014年のトッピクスでもあり、2015年も業界関係者が動向を注視している。多くのFPD関連の設備メーカーにとっては、中国が唯一の大型投資を期待できる地域となっている。また、ここ2~3年の中国での投資が、世界のFPD産業の将来の生産バランスを決めていくことになる。同時にサプライチェーンの拡充も注目されており、日本電気硝子による大型ガラス基板工場の建設も、「SEMI China」が2014年末に発表した中国FPD産業10大ニュースに選ばれた。

第8/8.5世代の大型液晶パネル工場の
投資、量産開始が相次ぐ

 中国FPD産業10大ニュースに選ばれた大型基板の生産ラインの投資プロジェクトは、(1)CEC(中電)グループが成都に第8.5世代ラインを導入決定、(2)韓国Samsung Display社が蘇州の第8世代ラインでの量産を開始、(3)韓国LG Display社が広州の第8.5世代ラインでの量産を開始、の3件である。これら以外にも、噂レベルの投資案件は多数あったが、今回のニュースでは2014年12月初めまでに正式に公表されたものを選出している。

成都、CECグループが第8.5世代ラインの導入を決定

 成都で2014年8月12日に開催された四川電子情報産業協力発展商談会において、投資総額が929億人民元に達する51項目の投資協力プロジェクトが調印された。その中の3大プロジェクトの1つとして、CEC(中電)グループが、双流県に第8.5世代パネル生産ラインの導入を決定した案件が入っている。同プロジェクトの投資総額は280億人民元に達する見込みである。

蘇州、Samsungが第8世代ラインで量産開始

 Samsung Display社と中国TCL社の合弁企業であるSamsung Suzhou LCD社(SSL)が、蘇州工業パークに建設した第8世代パネル工場で、2014年10月25日から量産を開始した。

広州、LGが第8.5世代ラインで量産開始

 LG Display社は、広州の第8.5世代ラインが竣工し、正式に稼働すると2014年9月1日に発表した。この生産ラインは、LG Display社、広州開発区、中国Skyworth社(創維)の3者が70:20;10の比率で投資したものであり、プロジェクトの投資総額は40億米ドルに達する。ガラス基板投入量は6万枚/月。市場の状況を見て、2016年度末までに12万枚/月まで拡張する計画も視野に入れている。