この1年で中国シフトが急速に進んだフラットパネル・ディスプレー(FPD)産業。その10大ニュースが2014年末に、国際半導体製造装置材料協会(SEMI)の中国支部に相当する「SEMI China」から発表された(中国語のサイト)。その内容は、中国のFPD産業の今後を示唆するものである。本連載では、この10大ニュースの内容を抜粋・要約し、紹介する。
中国ディスプレー産業はどこへ向かうのか
目次
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中国内陸部へ広がるFPD工場、鍵を握る日本の装置・材料
成都の博覧会「西博会」、専門フォーラム、BOE成都工場を視察
中国のディスプレー製造拠点は、これまでの沿岸部を中心にした地域から内陸部へ着実に広がっている。現在では、“中国版新幹線”の西の終着駅である成都でも有機EL(OLED)ディスプレーの生産が始まろうとしている。この成都で、2016年11月上旬に展示会とフォーラムが開催された。筆者はこの機会に成都および近…
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巡航モードに入った中国液晶産業、潜航し始めた量子ドット
中国国内のあらゆるハイテク産業が集まる展示会「China Hi-Tech Fair 2015(第17回中国国際高新技術成果交易会)」が2015年11月16~21日、深セン会展中心で開催された。「電子展」や「ディスプレー展」から成る巨大な展示会である。液晶や有機ELのパネルメーカーとしては、中国BO…
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中国経済減速はディスプレー産業にも波及するか
中国経済減速のニュースが頻繁に聞こえてくる。この影響がディスプレー産業にも及ぶのか、あるいは既に影響が出ているのか、と業界関係者から聴かれるこの頃である。表向きは、中国の業界関係者はまだ強気である。そこには、液晶ディスプレー技術では既に日韓台をキャッチアップし、これから有機ELをベースとした「新型…
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中国で花開く有機EL
華南地域がディスプレーの主戦場に(4)
中国のディスプレー産業およびパネルメーカーの実力は、大型では既に先行する日韓台をキャッチアップし、中小型でも先行組のすぐ後ろに付けている。深センで4月9日から3日間の会期で開催された「第3回中国電子信息博覧会(CITE 2015)」に併設されたフォーラムでは、急速に発展する中国ディスプレー産業の背景…
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中小型へ戦線拡大、日韓台中の生存競争
華南地域がディスプレーの主戦場に(3)
中国華南地域は、電子機器組み立ての拠点であり、液晶パネルメーカー、タッチパネルメーカ-、スマートフォーンのセットメーカーなどが数多く存在する。この中心都市である深センで開催される電子機器の展示会には、多くの見学者が訪れる。2015年4月9日から3日間にわたって開催された「第3回中国電子信息博覧会(…
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中国で加速、広色域化の競争
華南地域がディスプレーの主戦場に(2)
「広色域化」がディスプレー技術の新たな進化軸として急浮上してきた。ディスプレー各社が目標としているのが、8Kやスーパーハイビジョン(SHV)に対応する色域である。中国・深センで2015年4月9日から3日間にわたって開催された「第3回中国電子信息博覧会(CITE 2015)」でも、多くのパネルメーカ…
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中国で白熱、大画面・高精細化競争
華南地域がディスプレーの主戦場に(1)
中国のディスプレー産業は、ここ数年で急速に立ち上がりつつある。特に、中国南部の華南地区は、パネルメーカーやセットの組み立てメーカー、スマートフォーンのセットメーカーなどが集結する電子産業の中心地域である。この中心都市、深センで2015年4月9日から3日間の会期で開催された「第3回中国電子信息博覧会…
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中国が期待する「新型ディスプレー」
連載の前回から見て取れるように、日本・韓国・台湾の後を追う中国のディスプレー産業は、生産規模で先行地域をキャッチアップするために、今まさに積極投資の真っ最中である。これらの投資は液晶パネルの製造を視野に入れたものだが、中国が次に狙うのは「新型ディスプレー」と呼ぶ有機ELなどの次世代のデバイスである。…
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中国パネル工場の建設ラッシュとサプライチェーン
パネルメーカーの投資戦略は、2014年のトッピクスでもあり、2015年も業界関係者が動向を注視している。多くのFPD関連の設備メーカーにとっては、中国が唯一の大型投資を期待できる地域となっている。また、ここ2~3年の中国での投資が、世界のFPD産業の将来の生産バランスを決めていくことになる。同時にサ…
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液晶パネル関税撤廃反対と、Wintek破産の影響
今回は、「SEMI China」が2014年末に発表した中国FPD産業10大ニュースのうち、産業動向に関する2件について紹介する。中国政府が液晶パネル関税撤廃に反対した件と、台湾タッチパネルメーカーの大手Wintek社(勝華科技)が会社更生手続きをした件である。液晶パネル関税撤廃反対は、中国国内FP…
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新型ディスプレーに注力する中国政府、2016年に世界2位へ
連載の前回では、中国FPD産業10大ニュースを紹介した。その中でもとりわけ注目を集めているのが、中国政府の考え方が見える「政策」に関する内容である。そこで、10大ニュースとして取り上げられた「中国の工業和信息化部と発展改革委員会が新型ディスプレー『新三年行動計画』を発表」の内容を詳しく見ていく。
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中国から見た、ディスプレー10大ニュース
この1年で中国シフトが急速に進んだフラットパネル・ディスプレー(FPD)産業。その10大ニュースが2014年末に、国際半導体製造装置材料協会(SEMI)の中国支部に相当する「SEMI China」から発表された。その内容は、中国のFPD産業の今後を示唆する。発表された10大ニュースは、以下の通りだ。