トリナ・ソーラーの高紀凡(Jifan Gao)会長兼CEO(最高経営責任者)

太陽光パネルを製造する中国のトリナ・ソーラーは、1997年に設立以来、世界シェアのトップを競う大手パネルメーカーに成長した。日本市場の開拓に乗り出す一方、両面ガラス型や、パネルごとに発電量を把握できるパネルなど、新機軸の製品化にも積極的だ。同社の会長兼CEO(最高経営責任者)の高紀凡(Jifan Gao)氏に、今後の成長戦略について聞いた。

――ここ数年、太陽光パネルの出荷量で、世界トップクラスとなっていますが、国内外での実績を教えてください。

高CEO これまでに累積で約10GWのパネルを全世界で出荷してきました。昨年の出荷量では、世界シェアでトップになりました。今年もトップクラスになると期待しています。累計出荷量の約半分は、固定価格買取制度(FIT)の導入が早かった欧州市場向けです。しかし、ここ数年、欧州以外が急速に伸びています。昨年、地域別の出荷実績で、中国がトップになりました。

 昨年の地域別出荷量では、3~4割が中国、その次の米国が23~25%、3番目が日本で約2割になります。この3地域で7割以上を占めます。すでに日本市場は、トリナ・ソーラーにとって大きな位置づけになっています。

――日本の太陽光パネル市場をどのように見ていますか。

高CEO 日本の太陽光パネル市場は昨年、出力ベースで9.3GWに達しました。FITの買取価格は下がっていますが、今年も市場規模は8~9GWと堅調に推移すると見ています。昨年のトリナ・ソーラーの日本でのシェアは8~9%ではないかと分析しています。今年の日本市場はやや縮小しますが、「トリナ・ソーラー」ブランドの出荷量は、認知度が高まってきたこともあり、昨年に比べ4~5割、増加すると見込んでいます。