リニア中央新幹線や新駅の開業計画で盛り上がる品川駅。その北隣では一足早く再開発が進んでいる。2000年以降、人口がおよそ3倍に膨らんだ東京・芝浦。最寄りとなるJR田町駅の東口北地区に、地域冷暖房を導入した都市生活の新拠点が誕生する。かつての埠頭の街は今なお変化を続けている。
日本を代表する企業が多く集まる東京都港区で2000年以降、人口がおよそ3倍に膨らんだエリアがある。JR山手線田町駅の東側一帯に広がる芝浦だ。
田町駅は、リニア中央新幹線や新駅の開業計画などで盛り上がる品川駅の北隣に位置する。田町駅の西口(三田口)や東口(芝浦口)の南側では開発が進んできたものの、東口の北側には高層の建物がほとんどなく、中小ビルなどが並ぶ低利用地となっていた。
その田町駅東口北地区が、人口急増をきっかけに官民一体の再開発で生まれ変わろうとしている。約7.7ヘクタールの広大な敷地に公共施設や医療施設、超高層ビルなどが今後、数年のうちに相次いで完成する。
同地区は、品川駅周辺と一体で特定都市再生緊急整備地域やアジアヘッドクォーター特区にも指定されている。魅力的な複合市街地を整備することで、東京の国際競争力を高める役割も担う。
芝浦は戦前に埠頭が整備されたことで、海運の要衝地として発展。戦後は工場や倉庫の街として栄えた。バブル経済期には「ウオーターフロント」の1つとして注目され、倉庫などを改修したディスコやライブハウスが若者でにぎわった。
その後、工場跡地などで大規模なマンション開発が相次ぐ。07年に街開きならぬ“島開き”した「芝浦アイランド」などが有名だ。芝浦アイランドがある芝浦4丁目の人口は、06年12月時点で約4400人だったのに対し、14年8月時点では約1万4800人と急増している。