ミズノのSCOUTER
ミズノのSCOUTER
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 ソニーが開発した、有機ELパネル採用のヘッドマウントディスプレー(HMD)の採用がスポーツ分野で始まった。同HMDを組み合わせたランニング用グラス「SCOUTER」をミズノが開発したのである(発表資料)。ミズノは2015年度内の発売を目標として安全性を検証する。

 ソニーのHMDは、片眼のタイプで、メガネやサングラス、ゴーグルなどのアイウエアに外付けして用いるものである。着用している人の姿は、人気コミック「ドラゴンボール」に登場する「スカウター」を付けているように見える。
 
 ソニーのスカウター型HMDは、2015年1月に開催された家電業界の展示会「CES 2015」で初めて公開された(関連記事)。当初から、スポーツなど、主に軽さや防水性を求める用途を想定していた。CESのソニーブースでは、ゴルフやテニスなどでの利用を想定した情報提示のデモを見せた。今回のミズノのランニング用グラスでの採用は、ソニーの狙い通りと言える。

 スカウター型HMDの特徴は、有機ELパネルの採用などによって、1万対1の高いコントラスト比や、屋外での使用に必要とされる輝度(最大800cd/m2)を実現したことにある。加えて、映像表示部の厚さを瞳孔の直径よりも薄くするオリンパスの「瞳分割方式」と呼ぶ光学技術を採用している。

 スカウター型HMDは、スマートフォン(スマホ)と無線接続して用いる。今回のミズノのランニング用グラスでは、ミズノ提供のスマホ向けランニングアプリと連動させることで、コースマップや走行距離、走行時間、消費カロリーなどの情報をHMDに表示する。マラソン大会などでは、タイムや順位、SNSのメッセージも表示できるアプリを提供することも想定している。

 なお、SCOUTERのコンセプトモデルは、2015年3月15日に開催される「横浜マラソン2015」の関連イベント「横浜マラソンEXPO2015」のミズノブースに出展される予定。同イベントは、同年3月13~14日に開催される。