IBM「Watson」は以前、米国クイズ番組「Jeopardy」で歴代チャンピオン二人を破り社会を驚かせた。クイズには強いWatsonだが、IBMはビジネスへの応用に苦戦している。しかし今年初頭、「Watson Group」が設立され、IBMの人工知能ビジネスの流れが変わった。ベンチャー企業から、Watsonを活用した知的なアプリの登場が相次いでいる。WatsonはApple Siriのように身近な存在になり、IBMの人工知能ビジネスへの遷移が鮮明となった。

知能イノベーションを起こす

出典: IBM

 人工知能ビジネスの中核を担うのがWatson Groupで「Cognitive Innovations」(知能イノベーション) を目指している。Watsonを核に、、インテリジェントなシステムやアプリを開発する。IBMはこのプロジェクトに10億ドルの予算を当て、このうち1億ドルをベンチャー企業への投資に振り向ける。Watson Groupは、ニューヨークのシリコンアレーに建設されたビル(上の写真)を拠点とし、上級副社長のMichael Rhodinの指揮の元、2000人の体制で臨む。