名古屋大学の宮田氏
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 昆虫の優れた触覚や知覚中枢を半導体チップで模倣し、スマートフォンに搭載して、細菌やウイルス、PM2.5などの有害物質をいつでもどこでも検知できるようにする――。そんな開発プロジェクトが日本で立ち上がった。2014年6月に「内閣府革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)」の1つに選ばれた「進化を超える極微量物質の超迅速多項目センシングシステム」である(関連記事1)。

 名古屋大学や大阪大学を中心に、産業界からは東芝やパナソニックが参加。多種類の有害物質を同時かつ高感度に計測できるチップを、2018年までに開発することが目標だ。

 2015年1月に開催された展示会「nano tech 2015」(東京ビッグサイト)では、同プログラムのキックオフ・シンポジウムが開催された。プログラムマネジャーを務める宮田令子氏(名古屋大学 産学官連携推進本部 特任教授)や、プログラムを構成する4つのプロジェクトのリーダーが登壇した。

 宮田氏はプログラムの全体構想を説明。「必ず事業化にこぎつけ、豊かさと安心・安全を実感できる社会の実現に貢献したい」と話した。