導入費用は1kW当たり2万円

 タイゴエナジーは2007年に米シリコンバレーで創業したベンチャー企業。これまでに「オプティマイザーシステム」を全世界で約1万6000システム、合計出力で約170MWを販売してきた。日本国内では、2013年4月にオフィスを開設し、2015年1月までに186システム、合計出力で約19MWの販売実績がある。

 同システムの導入実績は、これまで10~数百kWまでの中小規模の太陽光発電システムが中心だった(図13)。その理由は、導入費用が1kW当たり約2万円、1MWでは約2000万円の追加コストとなることから、投資対効果を重視する大規模案件には採用されにくいことが挙げられる。ただ、「ウェル津奈木町発電所」のように、影による出力低下の影響を緩和できるサイトには、長期的に追加コストを回収できる可能性もある。

図13●米国の住宅屋根に設置した太陽光発電システムに導入した事例。樹木の影で、出力低下しているパネルが一目で分かる(出所:タイゴエナジー)
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 また、タイゴエナジーは、「オプティマイザーシステム」の機能をモニタリングなどに絞り込んで、低価格にしたタイプを製品化している。加えて、複数の中国メーカーなどが、同システムをあらかじめ端子ボックスに組み込んだ太陽光パネルを「スマートモジュール」という商品名で販売している。今後、低価格化が進めば、メガソーラーにも導入が進む可能性もある。