高速スイッチングで電流をバイパス

 この秘密は、パネルをモニタリングする「マキシマイザー」に発電量データの収集機能に加え、ストリングを流れる電力量を最大化する「インピーダンスマッチング」と呼ぶ機能もあるからだ。具体的には、何らかの原因でパネルの出力が低下した場合、高速スイッチングによってストリングからの電流の一部をバイパスさせ、一部パネルの電流値低下の影響がストリング全体に及ばないようにする。例えば、影がかかって電流値が8Aから7Aに低下したパネルがあっても、ストリング全体の電流値を8Aに維持できる(図12)。

図12●影による出力低下の影響がストリング全体に及ばない(出所:タイゴエナジー)
[画像のクリックで拡大表示]

 インピーダンスマッチング機能の有効性は、オプティマイザーシステムのもう1つの機能である、パネルごとの発電量モニタリングで確かめられる。木陰による出力低下は、影のかかったパネルだけに限定され、同じストリングを構成するほかのパネルの出力に影響していないことが、同システムの「見える化」画面から、一目瞭然だ。

 このスイッチング機能を活用すると、火災時など緊急時に太陽光パネルからストリングへの出力を遮断するといった安全性の向上にも応用できる。