“着る”ウエアラブルデバイスで人間の状態を知り、スポーツの上達に生かす――。そんな研究をNTTが進めている。同社が東レと共同で開発した機能素材「hitoe」を利用し、筋肉や心臓が動く際に発生する筋電位や心電位を運動中に計測し、それを装着者にフィードバックする技術である。2015年2月19~20日に開催された研究成果報告会「NTT R&D フォーラム 2015」では、ゴルフと野球分野での応用デモを披露した。
ゴルフでは、心拍の変動から「緊張度」や「リラックス度」を推定し、その結果をグラフだけでなく、音で装着者に知らせる。例えば、アドレス時、力んでいると音が発生する。
野球では、投手が投球時に全身をうまく使って投球できているかどうかを、メロディーで知らせる。下半身と上半身で音の高さなどを変えて合成して出力する。例えば、プロ野球選手であれば、メロディーが軽やかで、かつ短い時間で鳴り終わるという。