米国の大手太陽光パネルメーカーであるファーストソーラーは、2013年に日本法人を設立し、日本市場を本格的に開拓し始めている。日本への太陽光パネルの供給において、工場を出荷後、日本の顧客に納入するまでの品質管理、物流、設置後のアフターサービスを中心に、同社の日本市場戦略を、アジア・パシフィック地域 リージョナル・マネジャーのジャック・カーティス(Jack Curtis)氏、アジア・パシフィック地域 O&M(Operations & Maintenance)担当 シニア・ディレクターのフランク・テオフィロ(Frank Teofilo)氏に聞いた。

――日本における事業の現状を教えて下さい。

米ファーストソーラー アジア・パシフィック地域 リージョナル・マネジャーのジャック・カーティス氏

カーティス 日本では、主に三つの事業に取り組んでいます。一つ目は、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の開発です。二つ目は、分散型の太陽光発電所向けを想定する薄膜(テルル化カドミウム:CdTe)系太陽光パネルの販売、三つ目は、住宅向けの高効率なシリコン系太陽光パネルの販売です。

 それぞれの事業で、日本には大きなポテンシャル(潜在的な可能性)があると見ています。われわれが培ってきた、太陽電池セルや太陽光パネルに関するさまざまな能力、世界市場における経験を生かして、日本のパートナー企業とともに、成功を目指しています。

 国別の数値は開示していないのですが、全体的な概要を示すことはできます。

 メガソーラーの開発では、日本において、1億米ドルを投じる計画です。自社単独、あるいは、日本のパートナー企業と共同で、メガソーラーを開発、建設、運用します。

 現在、複数のメガソーラーを開発中で、年間で合計出力200MWのメガソーラーを開発するのが目標です。

 太陽光パネルの販売については、分散型向けのCdTe系、住宅用のシリコン系ともに、着手してからの期間が短く、まだ目標数値を示す時期には至っていません。

 ただし、2014年に、エクソルと、CdTe系パネルの国内販売に関して、合計出力20MWの販売で合意しました。この契約を含めて、CdTe系パネルは年間50M~100MWを継続的に販売していくことが、一つのターゲットになりそうです(エクソルとの提携の関連記事)。

 高効率なシリコン系パネルについては、日本市場を見る限り、高効率で高品質な製品が好まれる傾向からも、受け入れられると考えています。