沖縄県名護市は、米軍・普天間飛行場の移設先の候補となっている辺野古があり、基地問題で注目を集めている。辺野古が面する大浦湾は、マングローブ林や希少種ジュゴンの生息地で知られ、辺野古への飛行場移設に反対する理由の1つにもなっている。

 そんな豊かな自然の残る大浦湾を望む名護市二見に、稼働済みの発電所としては沖縄県で最大規模となるメガソーラー(大規模太陽光発電所)がお目見えした(図1)。いちごグループホールディングス傘下の事業子会社であるいちごECOエナジー(東京都千代田区)が建設した「いちご名護二見ECO発電所」だ。太陽光パネルの出力で約8.44MWとなる。

図1●大浦湾を望む「いちご名護二見ECO発電所」(出所:いちごECOエナジー)
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 2015年1月28日、現地で名護市長など約80人が出席して、落成式が開催された(図2)。「この地は、牛の放牧がうまくいかなくなり、荒れ放題になっていた。そんな場所が、現代文明のフロントランナーである太陽光発電所になった。ほんとうにありがたいことで、今後はクリーンエネルギーの地として発信していきたい」。名護市の稲嶺進市長は、祝辞を述べた。

図2●約80人が参加した落成式(出所:日経BP)
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 「いちご名護二見ECO発電所」は、名護市の所有する牧場跡地14万6294m2をいちごECOエナジーが賃借し、発電事業を行う。かつては「ゆかり牧場」と呼ばれて、闘牛場もあったが、発電所を建設する直前には、低木などが繁る荒地となっていた。