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神戸国際フロンティアメディカルセンター、肝移植に特化した患者データベース構築

肝移植オペレコや遠隔病理診断システムをFileMakerで実現

2015/01/28 00:00
増田 克善=日経デジタルヘルス協力ライター

神戸国際フロンティアメディカルセンター(KIFMEC)は、生体肝移植を主軸とした消化器疾患の先端医療機関として、2014年11月17日に開業した。手術や病理情報の分析・活用を目指した肝移植患者データベースをFileMakerで構築しており、電子カルテとの連携や、病理診断を委託する施設との間での遠隔病理診断・データ連携を実現している。

生体肝移植と消化器疾患の国際的拠点を目指す

 神戸国際フロンティアメディカルセンター(以下、KIFMEC:キフメック)は、消化器疾患の高度な先端医療サービス、特に生体肝移植医療の提供を目指して創設された医療機関である(写真1)。神戸市ポートアイランド地区に医療関連の企業や学術機関を集積した神戸医療産業都市「メディカルクラスター」の一翼を担い、世界標準の治療技術・サービスの普及と新しい医療の創出を目指している。

写真1 KIFMECのエントランスからホスピタルストリート。建物全体の形は肝臓をモチーフにしているという。

 開設の経緯について、創設に関わった副院長(院長代行・診療支援部長)の山田貴子氏(写真2)は、次のように話す。

写真2 副院長の山田貴子氏。医療情報技師でもある。

「2000年代初めに、消化器および肝移植の専門病院を民間で創設しようという計画が持ち上がり、2005年になって、神戸市に拠点を置くことになりました。私は当初、京都大学医学部附属病院で肝移植に携わっていましたが、この動きを受けて、神戸市立医療センター中央市民病院に転任、同病院で肝移植を開始しました。その後、メディカルクラスター構想が動き出し、海外の患者さんを受け入れることを視野に、消化器と肝移植に特化した民間病院である当院の開設に至りました」。

 日本の生体肝移植は2011年までの累計で6500例を数え、脳死肝移植の約140例を大きく上回る。近年まで長らく脳死移植が認められなかったことが背景とされるが、生体肝移植に関する技術・知見は世界トップクラスという。京都大学医学部附属病院を中心に実績が積み重ねられてきた。

 山田氏は、「中東やアジアには、宗教上の理由から脳死が受け入れられない国がいくつかあり、現地に出向いて生体肝移植を指導してきました。しかし、根付かせるのはハードルが高く、地理的にも遠くてフォローアップも難しいのが現状です。そこで、海外の患者さんを受け入れ、現地の医療スタッフにも来てもらって、患者治療と技術移転を同時に実現する場を作りたいと考えた結果が、国際病院としてのKIFMEC開設コンセプトになりました」(山田氏)と説明する。

 KIFMECの医療スタッフは、山田氏のほか、生体肝移植手技を確立し、2000例を超える手術症例を持つ田中紘一院長と、外科3人、消化器内科2人、麻酔科1人の総計8人の医師と看護師32人。120床を有し、診療科や職種の壁を越えて融合するユニット制によるチーム医療を推進している。生体肝移植については、最終的に年間60症例を目標としている。「当面は、肝移植の保険認定施設になるため、海外の自費患者を中心に週1回の手術を予定しています」(山田氏)という。

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