本連載の著者らは知財、標準、競争政策という異なる分野の専門家からなる。2014年、我々は日本企業の知財・標準への取り組みの指針を得るべく「欧州共同調査」を実施し、議論を重ねた注1)。「標準とは何か、標準の戦略的意義とは何か」を探るのが狙いである。標準化についての長い歴史を有する欧州に関するこの調査は、我々に大きな示唆を与えてくれた。本連載では、この調査の成果を公開したい。

注1)2014年9月の文部科学省科学研究調査(横浜国立大学 教授 安本雅典)および2014年11月のNEDO「Industrie4.0における標準化の状況」調査(NEDO 大谷 純)として報告。

第1回 「見直し急務の標準化戦略、反撃に智恵絞る欧州
二又 俊文(東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員)

第2回 「Industrie 4.0に透けるドイツの大戦略
大谷 純(新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)イノベーション推進部 標準化・知財戦略G主査)

第3回 「次世代ビジネスプラットフォームの覇権争いがIndustrie4.0の本質
浅井 龍男(横浜国立大学 成長戦略研究センター 客員研究員)

第4回 「欧州標準化戦略の核心は“実装で先んじる”
安本 雅典(横浜国立大学大学院 環境情報研究院 教授)

第5回 「NokiaとEricssonはなぜケータイで負けたのか
許 經明(東京大学大学院 経済学研究科ものづくり研究センター 特任研究員)

第6回 「クルマも、工場も、「つながる世界」でビジネスモデルが激変
糸久 正人(法政大学 社会学部 准教授)