「横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)」では、2013年夏にHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)を導入する1900世帯を対象に、家庭部門では国内最大規模のデマンドレスポンス(DR)実証実験を実施するなど、家庭のエネルギーマネジメントにも大きな力を注いでいる。2014年度は4000世帯に増えたHEMS導入世帯を対象に、さらに大がかりな実証実験を予定する。パナソニックは、そのHEMSをYSCPに提供する企業の1つで、独自の実証試験にも取り組んでいる。太陽光発電と蓄電池を組み合わせた家庭の“創蓄”エネルギーマネジメントである。

 パナソニックが取り組むのは、「家庭用蓄エネルギー機器によるデマンドサイドマネジメント実証」プロジェクトだ。横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)の事業としてHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)と太陽光発電を設置した住戸のうち48世帯を対象に家庭用蓄電池を追加して設置。太陽光発電と蓄電池を連携させ、その条件の中でエネルギー利用を最適化するのが大きな特徴である。

 システムの概要を見ていこう。実証実験に参加する住戸が備えているエアコンなどの家電の電力消費を監視し、温度設定などを通して電力消費をコントロールする「DSMユニット」と、太陽光発電と蓄電池の電力利用を一体制御する「創蓄連携パワコン」が中核をなす(図1)。

【図1】実証実験のシステム構成
「DSMユニット」と「創蓄連携パワコン」で電力利用と太陽光発電、蓄電を最適制御する。(出所:パナソニック)
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